家庭での関わり方

【自閉症×知的障がい】動画・スマホ依存を減らす3つの方法:”成功体験”で”自己調整力”を育てる、元看護師ママの実践

※この記事の内容は、娘が「3歳10ヶ月」時点のものです。
(娘の特性と当時の発達状況に基づいた内容になっています)


動画・スマホ依存にどう関わる?

いつパソコン・スマホが奪われるか分からない。
常に子どもの視線をチェックしている。
子どものパニック・癇癪に、自分も爆発しそうになる。
そんな日々の繰り返しに、疲れ果てている⋯

そんな渦中にいるあなたへ。
私もその一人です。

今日も本当にお疲れさまです、あすかです。
元看護師・3歳の自閉症×知的障がい娘の当事者ママです。

この記事を読むと:

  • 動画・スマホ依存を減らす3つの方法がわかる
  • 「どうすればいいの?」のストレスが軽くなる
  • 「これならできそう」のヒントが見つかる

“やめさせる”から”成功体験”の視点へ。
この視点を持つことで、お子さまの自己調整力が少しずつ育っていきます。

私も3つの方法を意識して、娘の変化を感じながら日々、なんとか乗り切っています。

この記事が、少しでもあなたのお役に立てれば嬉しいです。

※ここでは主に、スマホ・パソコンを通じた動画への依存についての実践をお伝えします。
※スマホ依存の「なぜ」についてはこちらの記事でお伝えしています。


①【衝動の入口を閉じる】:奪いに行かなかった成功体験

動画・スマホのこだわり/パニックを回避する第一歩は、「入口を閉じる」ことです。

スマホ・パソコンを”視界に入れない”

視界に入った瞬間に脳が刺激され、
抑制力(衝動があっても一度止まれる力)が働く前に、
“奪う・パニックになる”といった行動が出ます。
よって、まず娘の視界から排除するようにします。

基本姿勢

娘の前で、スマホ・パソコンの存在を見せない
(写真を撮れないことはストレスですが、しょうがないと割り切っています)

具体的には?

  • 決まった場所(娘の手の届かないボックスの中、マットレスの下など)に隠す
  • 使う際は、別室で使う
  • 同室で使う場合は、娘の視界に入らない位置を選ぶ

これだけで「奪いに来る」「癇癪になる」頻度は目に見えて減ります。

パソコンに関しては、
何度場所を変えても娘が素早く追ってくるので、見つかってしまいます。
「動画見たい人は座って」と声をかけても、
「パソコンをこの向きで持って運ぶ」こだわりがあるのです。

📺 参考:我が家ではテレビを撤去しました

1年前、我が家ではテレビ自体を撤去するという思い切った選択をしました。
理由は、娘のテレビ(動画)が強力なこだわりになってしまい、
家にいる時の要求が絶えなかったためです(テレビに覆いをしても効果なしでした)。
もし時を戻せるなら、はじめから徹底してテレビ(動画)を見せない選択をすると思います。

外出時のスマホの扱いはどうする?

娘の場合、外出先で私のポーチのチャックを勢いよく開け、突然スマホを奪いに来ることがあります。(疲れやストレス下で脳が高負荷になっている時や、公園のブランコで刺激が物足りなくなった時など)

  • ストレスでスマホの衝動が予測される時は、
    あらかじめポーチの奥深く見つけづらいところに入れておく
  • 幼稚園の保育参観など重要な場面では、スマホを家に置いていく

スマホを奪われた時のための対策

  • スマホの「YouTubeアプリ」を削除しておく

②【代替刺激】:動画・スマホじゃなくても大丈夫だった成功体験

「頭では分かっていても、やめられない」——それは意志の問題ではありません。
だからこそ、”動画以外”の落ち着く刺激(代替刺激)を見つけることが大切になります。

娘の場合、
・”三輪車”は動画の代替刺激となっています。
三輪車の固有覚刺激によって、気持ちが落ち着き、自己調整につながるのです。

・公園などで、最近はスマホの要求に応じずにいると、
切羽詰まった様子で「抱っこ!」と要求してくることがよくあります。
そんな時は、“素晴らしい自己調整力!”と捉え、全力で抱っこに応じます。
すると気持ちを切り替えます。自分に必要な刺激は、本人が分かっています。

娘の実例:感覚別「代替活動」一覧

代替刺激 具体的な代替活動 脳への効果
視覚刺激(動きがゆっくりで予測しやすいもの) 光る砂時計・スノードーム・パズル・シールあそび ゆっくりとした変化を見ることで衝動のエネルギーが鎮まりやすい。パズルやシールは「完成・貼れた」という達成感も加わる
聴覚刺激 テンポの良い好みの音楽・タッチペン図鑑 リズムが脳の運動系・感情系に働きかけ、行動の切り替えを促しやすい
固有覚刺激(体の奥で感じる圧力・力加減の感覚) 三輪車・バランスボール・抱きしめる・だっこ・細かいパーツ並べ・簡単な家事の手伝い 副交感神経を優位にしてセロトニン分泌を促し、落ち着きや集中力を高める。簡単な家事の手伝いは「役に立てた」という自己効力感も加わる
前庭覚刺激(傾きや回転を感じる感覚) でんぐり返し・トランポリン・だっこグルグル・おんぶ・肩車・公園のブランコ 固有覚との組み合わせで体の緊張をほぐし、「落ち着けるモード」への切り替えスイッチになりやすい
味覚・報酬系 甘いおやつ・せんべい・いちごやキウイ 「少量のごほうび」として、動画以外の報酬源を増やせる

※タッチペン図鑑は聴覚だけでなく、
視覚(文字・絵を見る)+固有覚(ペンで押す動作)の複合刺激でもあります。

※固有覚・前庭覚の違いを具体的に知りたい方は、
こちらの記事の「感覚処理ネットワークを詳しく見る」をご覧ください。

「先手」の代替刺激——予防の視点

「機嫌が悪いな」「今ひましているな」と感じたら、高い確率で「動画!」の要求が来ます。
そんな時は、先手で「感覚別『代替活動』一覧」のどれかを使ってみたりします。
そうすると、娘の気分が変わったり、一人遊びをし始めるということもしばしば見られます。

いったんパニックになってしまったら、同じく代替活動を試みます。


③【抑制力を使う】:癇癪/パニックにならなかった成功体験

“抑制力”は自己調整に深く関わっており、実際に使えば使うほど、育っていきます。

抑制力に関わる前頭葉は20代まで育ち続けるため、
“経験を重ねながら育てていく”という長い視点で関わっていきます。

伝える:「要求を伝えたら、叶った」

スマホやパソコンに手を伸ばす、奪う、という前に、
絵カードや言葉で「かして」「動画見たい」と伝えられることを目指します。

要求を伝えられたら、その場で「上手に伝えられたね」と褒めて、できるだけ叶えます。
すると、お子さまの中に「伝えたら通じた」「伝えればいいんだ」という成功体験を重ねていきます。

娘の場合、気持ちが高ぶっている時は難しいことも多いですが、
頭文字の「か」だけ言えれば「して」と続けられることもあります。
「何て言うの?」と問いかけることで、「かして」と言えるようになってきました。

待つ:「今はできない。でも、待ったら、あとでできた」

すぐに要求に応えられない状況の時は、
“見通し(いつできるのか)もセットで”「今はできない」ことを短く伝えます。
難しい場合は、代わりの活動も合わせて示します。

たとえば、
・「今は〇〇だからできないんだ。ごめんね。〇〇が終わったら、見よう(やろう)ね」
・「待っている間、▢▢しようか」という形です。

※まずは数秒待てたら成功です。
待てたら、すかさず褒め、要求に応えます。
「今すぐできなくても、あとでできる」という経験を重ねることで、
少しずつ”待つ”ことができるようになっていきます。

※「ありがとう。ママ(パパ)助かる(助かった)よ」と感謝を伝え、
頑張りを認めてあげることで、「待つ」の行動が身につきやすくなります。

おしまい:「おしまいにできたら、喜んでもらえた」

「おしまい」の経験では、タイマーを使って終わりを分かりやすくします。
「ピピッと鳴ったらおしまいね」と伝え、終わりにできたら、
「すごい!(すぐに)おしまいできたね。」とすかさず具体的に褒め、ハイタッチします。

____________

🌸お子さまが安心できる”ご褒美”を組み合わせると、
「待てた」「おしまいにできた」がより身につきやすくなります。
娘の場合、”抱っこぐるぐる”が大好きなご褒美です。

🌸多刺激、見通しが立ちにくい環境、体調や感覚が不安定な日などは、うまくいかなくて当然です。
それは”まだブレーキの神経回路が練習中”というだけのこと。
小さな”できた!”を積み重ねながら、少しずつ、育てていく、そんな見方で十分です。

🌱 さらに先のステップ:「徹底して見せない」という選択
娘は3歳10ヶ月で、徹底した動画断ち(スマホ・パソコンを渡さない)に挑戦し、
数ヶ月後には、衝動性も要求もほぼなくなりました。
「時間制限付き」で関わりながら、小さな成功体験を重ねていくことで、
やがて「見せない」という選択肢も現実的になりました。


まとめ:3つの方法で“自己調整力”を支える

【動画・スマホ依存を減らす3つの方法】をまとめます。
共通しているのは、”成功体験”の視点です。

方法 自己調整力 成功体験
衝動の入口を閉じる スマホ・パソコンを視界に入れない=自己調整をサポートする 「奪いに行かなかった」
代替刺激 “動画・スマホ以外”の落ち着く刺激を見つける=自己調整の選択肢が増える 「動画・スマホじゃなくても大丈夫だった」
“抑制力”を使う経験 “伝える・待つ・おしまい”の経験を積む=自己調整に深く関わる”抑制力”が育つ 「癇癪/パニックにならなかった」

🌸 成功体験 ⇄ 自己調整力は両輪の関係。
成功体験が行動を強化(「またやりたい」を強めて)自己調整力を高め、
自己調整力が高まることでさらなる成功体験につながります。

【抑制力を使う】経験を場面ごとにまとめます。

場面 関わり方
「動画見たい」「かして」と言葉で伝えられた時 「上手に伝えられたね」としっかり褒めて渡す
今は動画を見せられない時 「ご飯が終わったら見ようね」など”見通し”もセットで伝える
動画を見る前に タイマーをセット(朝・夜各30分まで、1日Max60分を目標)。「ピピッとなったらおしまいね」と伝える
動画終了5分前・1分前 予告をする
タイマーで自主的におしまいにできた時 “大げさに褒める+ハイタッチ”で「できた!」を「もっとやりたい!」気持ちにつなげる
タイマーに気付いても、おしまいにできない時 「この動画が終わったらおしまい」→それでも無理なら代替活動へ誘う
最終手段 「ママもう出かけるよ」(ママと一緒に出かけることは十分な動機になる。すぐにやめられることが多い)

読んでくださったあなたへ

あなたはすでに、十分すぎるほどがんばっています。
親子の穏やかな時間が、
毎日の中にそっと生まれますように🌈


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ABOUT ME
あすか
知的障がいを伴う自閉症の娘(4歳)を育てる、元看護師・当事者ママです。 1歳9ヶ月から療育を開始し、8ヶ所の療育機関を経験。娘の行動に「脳機能の視点」を持つようになってから、しんどさの中に少しの余裕が生まれました。 このブログでは、娘の実例をもとに「行動の意味と関わり方」を分かりやすくお伝えしています。 親子の優しい時間が、毎日の中にそっと生まれますように🌈