家庭での関わり方

【自閉症×知的障がい】こだわりを“ほぐす”5つの関わり方:元看護師ママが実践する安心ベースのスモールステップ

※この記事の内容は、娘が「4歳0ヶ月」時点のものです。(娘の特性と当時の発達状況に基づいた内容になっています)

はじめに

知的障がいのある自閉症のわが子への関わり方に、迷いや不安を感じていませんか。

こんにちは、あすかです。
前回の記事
【自閉症×知的障がい】「たった一度」がこだわりになるのはなぜ?:
元看護師ママが「4つの脳機能」の視点から解説では、
「一度の経験がこだわりになる」理由を、
4つの脳機能の視点からお伝えしました。

つまり「こだわり」は、
安心を取り戻すための方法として学習されたパターンです。

今回はその続編として、
実際にどのように関わっていけばいいのか——
「どうすれば、お子さまの”安心”を守りながらそのパターンを更新していくのか」
をテーマに、私が日々実践している工夫をご紹介します。

「少し気持ちが楽になった」
「これを試してみよう!」
そう感じてもらえたら嬉しいです。

こだわりは「なくす」ではなく「ほぐす」

関わりのゴールは、
こだわりを「なくす」ことではありません。

今ある安心のかたちを大切にしながら、
そこから少しずつ
「こういう終わり方もある」
「こういう楽しみ方もある」
という成功体験を重ねていくことで、
今あるこだわりが「ほぐされていく」
ようなイメージです。

関わり方のポイント

否定せず受け入れる

「止められない」ことを責めず、その背景にある「安心を求めているサイン」と捉える。

「また始まった…」と思う瞬間こそ、深呼吸のタイミング。
その行動を「困った」ではなく、
「今、安心を探しているんだな」というサインとして見てみます。

一呼吸置いて見つめることで、
私たちの表情も声のトーンも自然とやわらかくなり、
その空気の変化自体が、お子さまにとって最初の安心材料になります。

「安心環境」を優先する

お子さまのこだわりが発動しそうな「先行事象」——たとえば

  • 睡眠不足
  • 朝食がほとんど食べられていない
  • 今日はいつも以上に感覚が過敏 など

がないか考えます。

そのうえで、
その場の刺激量
(人の多さ・音・光・活動の内容など)

も合わせて調整し、
「今の本人にとっての安心環境」を意識しています。

※先行事象がある日は、
何かのきっかけで、こだわりが発動しやすくなります。

※先行事象があり、
さらにその場の刺激量も高負荷だと、
「今を生き延びるための必死の自己調整」
としてこだわり行動は強く出やすくなります。

🍀娘の例:幼稚園の降園時
今日は落ち着かないことが多かった・いつもより不機嫌・眠そう・疲れている
などの様子が見られると、
・「人が多い公園 → 静かな別の公園に変更」
・「帰りに一緒にスーパーへ → 後で私が一人で行く」
のように、環境を前もって調整していきます。

また、お子さまが、たとえば次のような時

  • いつもなら飛びつくおもちゃに反応しない
  • ぼんやりしている

「つまらないのかな?」
と声かけや遊びに誘うと、
逆に感覚負荷が増えて、
こだわり行動が強くなることもあります。

「今は充電タイムで、刺激を減らしてほしい」
という無言のサインかもしれません。
このような時は、静かに見守ることも、
安心環境の一つです。

🌸 親御さんの「してあげたい!」は尊い気持ちです。
でも、親の愛情=刺激の量ではありません。
安心環境を優先することで、
お子さまの「もてる力」は
少しずつ姿を現していきます。

安全な代替を用意する

お子さまにとって安心感が得られる
「別のアイテム・別の行動」をそっとそばに置いていくイメージです。

代替が成立したら、しっかり褒めます。
「やったね!できたね!」
「だっこグルグル」
「パパにも見せよう!」——
共有喜びで締めることで、安心パターンがより更新されていきます。

🍀 娘の例①:感情や行動の切り替えの難しさ → 音楽
音楽好きな娘には、音楽は「気分を変える」のにとても有効です。
「やる気にさせる」のではなく、自然に「その気にさせる」ような刺激として働きます。
たとえば、気持ちや行動の切り替えが難しく身支度がなかなか進まないときでも、
テンポの良いお気に入りの曲をかけると、娘の気持ちが一瞬で切り替わり、スムーズに動き出すことも多いです。
※逆にその曲が大好きが故に、そこから「もう一回最初から!」などの要求にいってしまうこともあります^^;)

🍀 娘の例②:先生への試し行動連発 → 砂時計
療育での集団のお集まり時、試し行動が連発する娘に対し、先生が別室で休憩の対応。
その際に砂時計を見せると、
じーっと見つめて
「スーッ」と瞬時に覚醒が下がることがあるようです。
(砂時計が効かないこともあります)
※4歳3ヶ月時点のエピソードです。

🍀 娘の例③:スマホへの衝動 → 光る砂時計
光る砂時計を渡すと、一瞬にして、
スマホに飛びつく衝動が「砂時計を見つめる行動」へと、置き換わることがあります。
・スマホ:視覚刺激+即時快感
・光る砂時計:視覚刺激+予測可能な時間経過

🌸大事なのは「ダメ!」と取り上げるだけにしないこと。
お子さまの「安心の好み」を見つけてみてください✨️


参考までに、娘が取り入れている代替活動をシェアします。

代替刺激具体的な代替活動脳への効果
視覚刺激
(動きがゆっくりで予測しやすいもの)
光る砂時計・砂時計・スノードーム・パズル・シールあそびゆっくりとした変化を見ることで衝動のエネルギーが鎮まりやすい。パズルやシールは「完成・貼れた」という達成感も加わる
聴覚刺激テンポの良い好みの音楽・タッチペン図鑑※リズムが脳の運動系・感情系に働きかけ、行動の切り替えを促しやすい
固有覚刺激
(体の奥で感じる圧力・力加減の感覚)
三輪車・バランスボール・抱きしめる・だっこ・細かいパーツ並べ・簡単な家事の手伝い副交感神経を優位にしてセロトニン分泌を促し、落ち着きや集中力を高める。簡単な家事の手伝いは「役に立てた」という自己効力感も加わる
前庭覚刺激
(傾きや回転を感じる感覚)
でんぐり返し・トランポリン・だっこグルグル・おんぶ・肩車・公園のブランコ
※上記は固有覚と前庭覚の同時刺激
固有覚との組み合わせで体の緊張をほぐし、「落ち着けるモード」への切り替えスイッチになりやすい
味覚・報酬系甘いおやつ・せんべい・いちごやキウイ「少量のごほうび」として、動画以外の報酬源を増やせる

※タッチペン図鑑は聴覚だけでなく、
視覚(文字・絵を見る)+固有覚(ペンで押す動作)の複合刺激でもあります。

見通しを持たせてあげる

お子さまは見通しが分かるだけで、
たとえその場では要求が叶わないとしても、
切り替えがしやすくなります。

本人が切り替えられたり、
いつもと違うパターンを受け入れられたときは、
「できたね!」などとすかさず褒め、
共有喜びします。

その積み重ねが、
こだわりを少しずつほぐし、
安心パターンを「更新」していくことにつながります。

🍀娘の例①:終わりを分かりやすくする

  • 「(タイマー)ピピッってなったらおしまい」
  • 「アラームがなったら寝る」

などの視覚・聴覚の合図を使い、
「終わりが予測できる」安心パターンを少しずつ積み重ねています。

🍀娘の例②:見通しを伝える、本人に選択してもらう(抑制が効きやすくなる)
娘は、自動ドアのタッチを自分で押すこだわりがありますが、
「ママが触るよ。いい?」と伝え、
本人の了承を得てからママが押すことで、
本人も予測でき、「自分で押さなくても大丈夫だった」の経験を積んでいる最中です。

パパ・ママの違いを活かす

それぞれの安心パターンを尊重し、役割分担で支える。

🍀 我が家の場合
ママ:「安心役」(室内遊び・散歩・いつもの公園)
パパ:「挑戦役」(スーパー・遠出のお出かけ・遊具遊びの挑戦)

この役割分担をすることで、
娘にとっての安心パターンを、少しずつ増やしていく・広げていく
ことができるようになります。
以前は「ママじゃないとダメ」だった娘が、
パパとの安心パターンも脳に保存されるようになり、
経験の幅が広がり、
それが成長の後押しになっていると感じています。

ご家庭によっては、逆の役割パターンもあるかもしれません。
家族みんなが笑顔で回る、これが一番ですね✨

おわりに

お子さまの
「絶対こうしないとダメ」から
「このパターンでもいけた」
「やらなくてもいけた」
という成功体験を、
日々少しずつ積ませてあげること。
それが、こだわりのあるお子さまを支える上で大切だと思っています。

こだわりがなくなることはないけれど、
見通しや成功体験、共有喜び、
そしてお子さまの心や脳が日々成長していく中で、
安心するパターンが少しずつ「更新」されていきます。

そのように、ゆっくりと少しずつ、
私たちも日々試行錯誤しながら、
お子さまと一緒に成長していくのだと思います✨️

この記事が、
少しでもあなたのお役に立てたなら嬉しいです。

親子の優しい時間が、
毎日の中にそっと生まれますように🌈


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ABOUT ME
あすか
知的障がいを伴う自閉症の娘(4歳)を育てる、元看護師・当事者ママです。 1歳9ヶ月から療育を開始し、8ヶ所の療育機関を経験。娘の行動に「脳機能の視点」を持つようになってから、しんどさの中に少しの余裕が生まれました。 このブログでは、娘の実例をもとに「行動の意味と関わり方」を分かりやすくお伝えしています。 親子の優しい時間が、毎日の中にそっと生まれますように🌈