はじめに:娘の「安心の土台」は、私の「心の凪」から
今日も、娘は補助輪付き自転車で、風を切って笑っている。
その笑顔の後ろで、コントロールバーを操作しながら私も笑っていられるのは、
私が「忍耐強い母親」だからではありません。
むしろ、その逆です。
こんにちは。あすかです。
私には、知的障がいありの自閉症娘(4歳)がいます。
私は、弱い人間です。
自分がイライラしていると、
それが鏡のように娘に伝わり、彼女の癇癪に火を注いでしまう。
私が「心の凪(なぎ)」を失うことが、娘にとっても私にとっても、
一番のしんどさにつながることを、これまでの日々で痛いほど学んできました。
だから、私は決めました。
娘の「安心の土台」を保証するために、まずは私自身の心を守り抜く。
そのために、家事の仕組みを自分なりに徹底して追求し、
脳のリソース(空き容量)を家事に奪われないよう、工夫を凝らしています。
以前、スマホ衝動性と動画へのこだわりについての記事で、私はこう書きました。
焦点は「我慢させる」ではなく、
“脳が頑張らなくても穏やかに過ごせる仕組み”を整えること。
実はこれ、子どもだけでなく、
私たち親自身にも全く同じことが言えると思うのです。
親が“必死に”に頑張るのではなく、
脳が頑張りすぎなくても、
自然と「凪」の状態でいられる環境を作ること。
その「仕組み」こそが、結果として“娘の笑顔を守る”ことに繋がると実感しています。
脳のリソースを奪う「名もなき判断」を断捨離する
育児は、常に想定外の連続です。
娘の小さなサインに気づき、パニック予防を試み、こだわりに伴走する……。
それだけで私の脳のリソースは、
幼稚園に送り出す朝の時点で、ほぼ使い果たしています。苦笑
そんな気を張り詰めた状態の中で、
「洗濯をいつするか」
「今日のご飯は何にしよう」
「お皿をいつ洗うか」といった
小さな「名もなき判断」が積み重なると、
脳はパンクしてしまいます。
「必死に回す」育児から、「考えなくていい仕組み」へ。
私が実践している、脳のリソースを温存するための具体的な工夫を5つご紹介します。
私の「心の凪」を守る、5つの具体的な工夫
① 台所から「火」を消す。ホットクックが助ける親子の時間
わが家では、日常的に「火」を使った調理をしません。
その代わり、相棒としてフル稼働しているのが「ホットクック」です。
一番のメリットは、「火の前から離れられること」です。
普通に料理をすると、どうしてもコンロの前を離れられません。
その間に娘が癇癪になったり、「見て!」と要求があっても、
すぐに対応できずにお互いのイライラの原因になってしまうことも。
そんな負のループを断ち切るために、
スイッチを押せばあとはお任せできる仕組みを導入しています。
特によく活用しているのが、夕飯のセットです。
娘が幼稚園に行っている間に材料を仕込んでおき、
スイッチを押して娘と自転車でお散歩へ。
帰宅してドアを開けた瞬間、おいしい香りと共に温かい夕飯ができあがっている。
この「帰ってすぐに食べられる」という仕組みが、
今日という一日をいかに乗り切るか、の闘いである私の「心の凪」
をどれほど守ってくれているか分かりません。
最近では、休日など時間に少し余裕のある時は、
切った材料を娘が「入れる」という、簡単なお手伝いも取り入れており、
喜んでやっています。
偏食が強い娘ですが、乳児の頃からホットクックで蒸した「さつまいも」だけは今でも食べてくれます。彼女にとっての大切な栄養源も、この仕組みが支えてくれています。
そんな私の毎日を支える具体的な「相棒」も、ご紹介しておきますね。
私が愛用しているのは、シャープのホットクック(KN-HW24G-W)
わが家は3人家族(食べるのはほぼ私とパパだけ)ですが、
2.4Lの大容量サイズを選んで大正解でした。
- 「二段調理」で時短の極み: 例えば下の段で汁物、上の段で主菜など、食事がこれ一台で完了します。
- 「まとめて作る」が心の余裕に: 多めに作って翌日の昼食に回したり、副菜をストックしたり。一回の「切る」作業で二食分を解決できるのは、脳のリソース節約に直結します。
- レパートリーは無限大: 焼きそばやパスタもこれ一台。最近はYouTubeにもたくさんのホットクックレシピがあがっているので、付属のレシピ本だけでなく、色々な方の知恵を借りながらフル活用しています。
2021年に購入してから、
もうわが家にはなくてはならない「もう一人の私」のような存在です。
②「やらない」と決める勇気。娘がいる時に家事をしない理由
私は、娘が起きている間は、「お皿洗い」と「洗濯機を回すこと」を潔く諦めています。
以前の私は
「娘が遊んでいる隙に、パッと洗ってしまおう。洗濯を回してしまおう⋯」
と必死でした。
でも、そうやって気を張って家事をこなしても、
結局は自分の首を絞めることになる現実に、必死に家事を回すことの限界を悟ったのです。
そして、私は潔く「やらない」という選択に行き着きました。
理由1:娘の「水遊びスイッチ」を入れない
私がお皿洗いを始めると、
その水の音に反応した娘の「台所での水遊びスイッチ」が、
ガチャン!と入ってしまいます。
そうなると、もうお皿洗いどころではありません。
台所や床は水浸し、娘の服もびしょ濡れ……。
それに対応し、後片付けをすることに、
私の貴重なリソースはあっという間に削り取られてしまいます。
理由2:洗濯機の「ボタン押し衝動」と戦わない
洗濯機の駆動音は、娘「ボタンを押したい!」という激しい衝動の引き金になります。
回っている途中で止められたり、設定を変えられたりするので、
娘が洗濯機のある洗面所に行かないか、娘の行動にソワソワしたり、
洗濯機の前で娘を制止し続けるエネルギーは、想像以上に消耗します。
そんな親子の戦いをすることに、何一つ良いことはありません。
「戦わない」ことが、最大の防衛策
もちろん、娘が何かに集中している隙を突いて、
音を立てずにサッと洗ってしまうこともあります。
でも、基本的には「娘がいる時はやらない」。
「いつやるか」の答えは、夜。
家族皆が夕飯とお風呂を終え、
娘がパパと夜のスーパー(恒例の野菜当てゲーム!)へ行く場合は、
その間にお皿洗いと洗濯を済ませます。
スーパーに行けない場合は、
お皿洗いは基本翌朝に。
洗濯は娘の寝かしつけの前に、パパに「洗濯、お願いね」とスイッチを託します。
ここで私は、基本、娘と一緒に「寝てしまおう」のスタンスでいます。
以前の私は、娘と一緒に寝てしまった後に、起きて⋯
皿洗いをしたり、自分の時間をとったり⋯
でも、そうすると、いざ眠ろうと思ってもなかなか眠れなくなり、
翌朝、一日を戦うだけのエネルギーがない……なんてことも。
だったら、「明日の私が、娘と笑顔で向き合えること」を最優先にしたい。
だから、夜に無理して動くのはやめました。
たとえ洗い物が残っていても、
潔く朝の自分に託して、娘と一緒に寝る。
それが、私の「心の凪」を守る鍵になっています。
「今、これをやらない」と決めること。
それは、単なる手抜きではありません。
娘の衝動を刺激せず、私自身の疲弊を防ぐ。
この「やらない決断」こそが、家族が今日を、
そして明日を穏やかに生き抜くための、大切な戦略です。
③ 洗濯は「夜」に完結。ボタン押しの激しい衝動と朝の絶望を防ぐ
パパが洗濯のキーマン
②でお伝えしたように、
娘の外出中であれ、寝かしつけ後であれ、
わが家の洗濯が回るかどうかはパパの手に委ねられています。
洗濯が終わった後の室内干しも、パパの担当。
基本、毎日回しているので一回あたりの量はそれほど多くなく、
パパにとっても無理なく続けられるルーティンになっています。
「朝起きたら終わっている」という凪の状態
翌朝、目が覚めたときにはすでに洗濯物が干されており、
あとは各自の場所へ戻すだけの状態になっています。
(ちなみに、私は「畳まない」システムを採用しています。)
「いつ回して、いつ干すか」という判断が一つなくなるだけで、
朝の気忙しい時間に少しの「心の余白」が生まれます。
「自分一人で回さなきゃ」という気持ちから
「どんな小さなことでも、何か、家族を巻き込めることはないか」の視点へ。
この「夜完結」の仕組みが、
娘の衝動を刺激せず、
私の朝の笑顔を守るための大切なライフラインになっています。
④朝、「早くして!」とイライラする機会を仕組みでなくす
私の朝の動きの心構えは、その日の幼稚園送り担当が「パパ」か「私」かで、変わります。
【ママ送りモード】の時:自分の身支度を済ませる「先制攻撃」
この日は、娘が起きる前に自分の身支度を終わらせる「真の先制攻撃」を仕掛けます。
娘の身支度・朝食・登園準備をこなしながら、自分の支度を並行するのは、
私にとって脳のリソースを最も激しく削る行為だからです。
娘が起きた時には、私はすでに『いつでも外に出られる状態』。
この余白により、娘の朝のグズりや癇癪にも、
ゆとりを持って向き合うことができる状態を作っています。
【パパ送りモード】の時:トイレだけは「先制攻撃」
パパが送ってくれる日は、基本、娘が起きた時に布団の中で寄り添うことを優先します。
目が覚めた時に隣にママがいることで、娘の機嫌が違うからです。
ただ、そんな時でも最低「トイレだけ」は、娘が起きる前に忍び足で済ませておきます。
「起きたいけど、娘を起こしたくない。でもトイレに行っておかないと厄介なことになる……」 布団の中でそんな葛藤を繰り返しながら、なんとか隙を見て済ませる数分間。
娘と一緒に起きてからトイレに行こうとすると、後をついてきたりトイレの中まで入ってきて、そこで癇癪になったりする娘の対応で、私の「心の凪」が崩れてしまうからです。
「トイレを済ませている」という、たったそれだけの事実が、
朝の癇癪を受け止めるための私の「バリア」になります。
玄関から娘を笑顔で送り出した瞬間から、
私はようやく自分の身支度・家事、そしてブログと向き合う時間へ。
状況に合わせて「いつ攻めるか」を使い分けること。
これも、私が倒れないための、
そして「私自身」を取り戻し、楽しむための大切な戦略です。
⑤ホワイトボードが「家族の司令塔」。前日の仕込みが脳のリソース温存の鍵
私の脳のバックアップ。
それが冷蔵庫に貼った一枚のホワイトボードです。
ここには、私の「ワーキングメモリの消耗」を肩代わりし、
家族をチームにする仕組みが詰まっています。
「朝のパニック」を前夜までに消し去る
朝起きて「今日の昼食と夕食は何にしよう?必要な買い物は?」
と考え始めるだけで、娘と向き合う余白が削られてしまいます。
だから、「前夜までに」ボードを埋めておくのが私の鉄則です。
お見せするのは少し恥ずかしいのですが……
ある平日のわが家のリアルな「司令塔」です!
脳の負担を減らすことを最優先にしています(笑)

- 「残り物」の見える化: 写真右上の「キウイ・食パン・ヨーグルト」
賞味期限が近いものや、早く片付けたいものを書き込みます。
主に、朝食やおやつを意識しています。
(実は、昼食の「ラーメン」も数日前に期限が切れていたのですが……笑。
こんな風に『今日食べなきゃいけないもの』をボードで強制的に確定します。
食材を無駄にせず、脳のタスクも片付く。一石二鳥です。) - 朝食の欄はあえて「空欄」: 写真左上の「B」が空欄なのは、わが家の朝食はだいたいいつも同じだから。「考えなくていいこと」は、あえて書き込みません。
- 夕方の自分を助ける「時間予約」: 写真中央の「ごはんたく 16時」「むし:さつま芋・たまご(ホットクックで作ります)」
娘が幼稚園に行っている間に材料を仕込み、16時完成で予約をセットしておく。
これだけで、帰宅後のバタバタの中でパニックになるのを防ぐ、未来の自分への大切な指示書です。 - 買い物リストは「場所」で管理: 「あ、これ足りない。買わないと」と思った瞬間に、お店の名前を書いたマグネットの下に書き込んでいきます。
逆に、買い物に行ったらすぐ消します。
理想的な食卓より、娘の「一口」と私の「凪」
実は、私がここまで仕組み化にこだわるのには、理由があります。
わが家は基本、夕食はホットクック、昼食は残り物。
ボードに書くのは「今日の手抜きポイント」を確定させるためでもあります。
「昨日の残りの味噌汁があるから、今日は焼くだけの西京漬け(パパと娘の夜の習慣であるスーパーで、前夜に買ってきた見切り品!)でいい」と思えるだけで、心に凪が訪れます。
ホットクックが作ったこの「(具沢山)味噌汁」は、
親の健康を守るためのもの。
一方で、偏食の娘には別の戦略をとっています。
31週で生まれ、早生まれのハンデも持っている娘。
私は彼女の栄養を守ることに必死でした。
一時期はプロテインや高タンパクヨーグルトを試し、
その一口に、一喜一憂する……
そんな日々もありました。
だからこそ、私は娘には
「『いつものメニュー』の栄養価をこっそり底上げする」戦略をとっています。
白米にキヌア、ヨーグルトに砕いたサプリと黒グマきなこ、炒めたひき肉に亜鉛たっぷりふりかけ…⋯
「どんな形でも、栄養がとれれば、それで良し!」
そんな「執念」に近い工夫を続けてきた甲斐もあってか、
4歳の娘は今、クラスで一番大きいほどに成長してくれました。
理想的な食卓じゃなくていい。
仕組みで浮かせた脳のリソースを、
私はこういう「本当に守りたいもの」のために使いたいのです。
家族の「見通し」を立てる共有モニター
実はこのボード、パパにとっても欠かせないツールになっています。
パパも毎日このボードを見て、「今日のご飯は何かな?」と確認します。
メニューが決まっていることで、パパも
「じゃあ16時セットでご飯炊いておこうか」など、
自発的な行動を促す役割もしています。
今日はこんなことがありました。
私は午前中、受診していたのですが、
ボードを見たパパが「ウェイパーがないな」と言って、
買い物に行って作ってくれました。
以前の私なら「ラーメン作っておいてほしい」
とお願いするしかありませんでした。
でも今は、ボードに「見える化」するだけ。
パパができる範囲のことを、私がお願いしなくても自発的にやる。
「お願いする」っていう行動、私はその度にエネルギーを使うし、
「お願いされる側」のパパも、
指示されているみたいで、
あまり良い気がしないことがよくありました。
だからこそ、この「見通しの共有」は、
私だけでなく家族皆にとって、優しいシステムになっています。
そうやって家族に「共有」すると同時に、
私自身も、決まった瞬間にボードに託しています。
「夜にまとめて書く」という負荷を作らないために、
「あ、これ買わなきゃ」「明日はこれを作ろう」と思いついたその瞬間に、
ボードに書き込んで脳から追い出す。
そうして寝るまでにすべてをボードに託してしまえば、
私の脳は「覚えておく」という重荷から解放されます。
「忘れても、明日の朝ここを見ればいい。パパもこれを見る」
そう思えるだけで、夜の睡眠の質が変わり、朝の第一歩が軽くなります。
ホワイトボードは、単なるメモではありません。
パパを巻き込み、 私の心の凪を守り、 娘の笑顔を守るための
頼もしい「家族の司令塔」です。
おわりに:「親御さんの心の余白」こそが、子どもたちにとっての最大の安全地帯
ここまで読んでくださり、
本当にありがとうございます。
私が脳のリソースを家事に奪われない「仕組み」を追求する理由。
それは、私の「笑顔」の余白を作りたいから。
親が元気で笑っていられること——
それが子どもたちにとって、何よりの安心につながり、
どんな療育よりも、子どもたちの成長を支えることだと思っています。
もし今、毎日のドタバタに疲れ果て、
自分を責めている親御さんがいたら、伝えたいです。
必死にもがきながら頑張る、もうやめていい。
頼れるものは、パパ(ママ)でも、家電でも、ホワイトボード一枚でも、ばあば(じいじ)でも、ファミサポでも⋯
何でもいい。
この記事が、少しでもあなたのお役に立てたなら、嬉しいです。
今日一日を、そして明日という新しい朝を。
私たちが、少しでも穏やかな心で迎えられますように⋯🍀
毎日毎日、本当に、お疲れさまです。
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子どもたちの行動の背景にある
「脳の働き」については、
看板記事
「自閉症×知的障がい」
行動理解のためにまず知ってほしい:
「4つの脳機能」の視点と希望
で全体像を整理しています。
よければ、ご覧ください。
このブログを書いている背景や想いは、
プロフィールにまとめています。
よければ、あわせてご覧ください。
